ブログ18 【書き下ろし】 シリーズ「乗ったで降りたで静岡清水線」 日吉町駅 その1 (2026年8月記)

書き下ろし
タイトルカット 今年7月の第73回「安倍川花火大会」(会場から2㎞ほど離れた自宅ベランダで撮影)

今回からいよいよ「静岡清水線の旅」を始めます。出発進行!!

新静岡~新清水15駅をアトランダムに取り上げるのもおもしろそうですが、本ブログはオーソドックスに新静岡発新清水行きの電車への乗車気分で各駅をレポートします。


今回と次回は、前回ブログまでの新静岡の次駅「日吉町」です。始発駅からの距離はわずか500m。駅から少し手前に戻ると、新静岡駅の案内放送が聞こえたりします(空耳かもしれませんけれど)。

駅開業は1908年で、当初の名は「台所町」。終戦直前の1945年6月に駅はいったん廃止(休止)されますが、戦後に日吉町の名で復活し現在に至ります。

日吉町駅に入線する新静岡行き列車。駅東側にあるのが静岡環状線の踏切で、環状線を北進すると(写真右方向)、拙宅にも近い静岡浅間神社に至ります



「鳴くまで待てないホトトギス」!


前回ブログで呉服町、紺屋町、両替町など静岡市中心部の町名は地域のルーツを表すと書きました。その後、近くの図書館(静岡市立中央図書館)で静岡市史を斜め読みしていたら、興味深い記述に行き当たりました。

将軍職をわずか2年で2代目・秀忠に譲り、江戸から駿府に〝シニア移住〟した徳川家康。静岡で真っ先に取り組んだのは駿府城の改修、そして城下のまちづくりでした。

移住先でもじっとしていられない。家康の性格、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」と思ってましたが、どうやら鳴かぬなら……は後付け。ホントは「働いて働いて働いて……亅なのかもしれません。このあたり、どこかの新米ブロガーに似ているような気も(笑)。

駿府城修復では、関西方面をはじめとする全国の大工、鍛冶屋、車屋といった職人たちが呼び寄せられました。

城下は武士、商人、職人、農民といった職業別に居住地が区分され、それが町名の由来になったようです。

台所町は駿府城の台所門(御台所門おんだいどころもん)に由来するそう。台所門は城の南東側で、ブログ15の静岡県庁富士山展望ロビーからの画像では右上部分に当たります。

駿府城の再興当時、台所町には城に納める食料品類を扱う商家が軒を連ねていたのでしょう。

そんな台所町(現在の日吉町駅)界わいは東海道の旧道沿い。関東と上方を行き来したり、江戸から熊野もうでする旅人らでにぎわいました。

戦後に復活した日吉町の駅名はどこから? 今、日吉町の町名はなく、駅所在地は静岡市葵区鷹匠です。新静岡駅と同じで、新静岡が鷹匠1丁目、日吉町が鷹匠2丁目になります。

町のルーツを示す鷹匠、江戸時代に鷹狩りのタカを飼育した屋敷があったことに由来するそうです。青森県弘前市、岐阜県大垣市、大分県中津市といった城下町にも同じ町名があります。

「徳川家康と鷹狩り」でネット検索すると「家康は鷹狩りの大愛好家だった」とヒットします。目的は健康維持、軍事訓練、領内視察などなど。う~ん、ここでも「鳴くまで待とう」のイメージが崩れていくような……。



比叡山の日吉権現が発祥?

日吉町は無人駅ですが、券売機は新静岡駅と同じく2種類あります


日吉の町名も各地にあります。もっともポピュラーなのは、横浜市港北区の日吉かも。東急日吉駅があります。

横浜の日吉、駅は東急東横線から東急新横浜線が分岐し、地下には横浜市営地下鉄グリーンラインが走ります。

2023年3月開業の東急新横浜線は相鉄新横浜線と相互直通運転して、横浜市西部や神奈川県県央部と東京都心の渋谷を直結します。

日吉の地名、滋賀県大津市の比叡山の日吉権現にルーツがあるようです。

読みは現在、ほぼ「ひよし」一択ですが、一部には「ひえ」とも。有名なのは字は違いますが東京・赤坂の日枝神社です。

静岡県の日吉神社は島田市と、伊豆半島の松崎町だけですが、日枝神社は静岡市葵区中ノ郷にあるそうです。

葵区中ノ郷は拙宅のちょっと先(北方)の安倍川沿い。このあたり、日吉町に関係あるのかないのか、謎は深まり(というのもオーバーですが)、興味は尽きません。



駅東側に静岡環状線の踏切



静岡清水線に戻って、日吉町駅は複線の線路の両側にホームがある相対式2面2線の構造。駅舎は北東側で、新静岡方面行き列車に乗車するには、駅構内の踏切を渡らなければなりません。

私鉄ターミナル然とした新静岡に比べると構造はシンブルで、静岡清水線開業時のローカル鉄道の雰囲気を今に伝えます。

駅周辺スポットは鷹匠公園、伝馬公園、玉桂山華陽院ぎょくけいざんけよういん(次回ブログで取り上げます)などです。

大型の遊具もある鷹匠公園。近隣にはおしゃれな飲食店やカフェがあり、静岡市民には「鷹匠エリア」の呼び名もあるようです



駅ルポで訪れたのが鷹匠公園で、典型的な都市公園。トンネル式すべり台などの大型遊具が目を引き、子どもたちに喜ばれそうです。

日吉町駅は新静岡から500mの至近距離で、JR静岡駅にも徒歩圏。東京や大阪からの転勤族にとって暮らしやすいエリアといえそうです。

最後に、本ブログのカット写真を撮影した日吉町駅東側の踏切。4車線の道路は、ブログ15で取り上げた環状道路です。

正式なネーミングかどうかは不明ですが、ネット地図には「静岡環状線」の道路名も。国道1号線から静岡市北部に向かう場合、静岡環状線を通れば市内中心部の混雑を避けられます。 


静岡清水線の全駅ルポ、静鉄という鉄道を知るのはもちろん、今回の静岡環状線など地域をより深く理解する効果もあるようです。

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