
シリーズ「乗ったで降りたで静岡清水線」、今回と次回は始発の新静岡駅から数えて6駅目の「長沼」です。
静岡清水線は全15駅で、奇しくも(というほどでもないですが)大相撲で十両以上の一場所の取組数と同じ。相撲に例えれば、序盤戦を終えて終えてここから中盤戦です。本ブログは勝ち越し、それとも負け越し?

駅に隣接する車両基地
長沼駅の所在地は静岡市葵区長沼。長沼の地名は全国に点在し、ルーツをたどれば文字通りの「長い沼」。もう少し広義には「水に関係する地名」とされます。
背後に小高い山がそびえる長沼駅、駅そのものは大きな特徴のない、静岡清水線では一般的な小駅ながら、いろいろなチェックポイントがあります。
開業は1908年で、静岡清水線の開業と同時。駅名は当初から長沼でした。前駅・柚木との駅間距離は1.1㎞。前駅までの500m間隔から伸びて、ようやく都市鉄道らしくなった!?
駅構造はやや変則で、北側の新清水方面下りが島式ホーム1面2線、南側の新静岡方面上りが片面ホーム1面1線。下りは追い抜きできますが、上りは追い抜き不可です。駅北側に車両基地(車庫)があります。
静岡清水線の車庫、開業時から戦後まで鷹匠町(現・新静岡)にあったそうですが1953年、長沼に移転しました。
鉄道会社はどこも同じで、車両基地や車両工場を都心の一等地に置く必要はない。車庫や工場のような業務用施設は郊外駅や駅間に移し、都心駅は駅ビルやホテルに用地再開発して稼ぐ必要があります。
代表例がJR東日本、東京都心の品川や大井町の車両基地を郊外に持って行き、跡地を利用して高輪ゲートウェイシティやOIMCHI TRACKSでのまちづくりに取り組みます。
スケールの大小はありますが、静鉄も基本は共通。鷹匠町の旧車両基地跡は今、駅ビル「新静岡セノバ」になって、静鉄グループの経営を支えます。
長沼車庫は長沼駅ホームまたは敷地外から垣間見えますが(プチ見学?)、折しも今週末、10月17、18の両日の「しずてつ電車まつり2026」で公開されます。本ブログでもレポートしたいと思います。情報は文末に。
車庫に見付けた静鉄の先代車両
静岡清水線を走る電車、現在のA3000形は電車まつりのルポで取り上げることにして、本ブログは車庫の奥にいた旧車・1000形に注目しました。

1000形は1973年にデビュー。約半世紀にわたり静鉄の看板車両でしたが、2024年に運用を終えました。メーカーは現在はJR東日本グループに移管されて総合車両製作所(J-TREC)に社名変更された旧東急車輛製造です。
そんな1000形にモデルの電車があったのを、鉄ちゃんならご存じかも。1000形は、東急田園都市線などを1967~2000年に走った7200系電車の静鉄バージョンで、前面デザインは異なりますがサイビューはそっくりです。
オールステンレス製で、一般的な鋼製電車に比べ丈夫で長持ち。トリビア一点を挙げれば、側面窓は電車で一般的な下から上に開く二段窓でなく、一段下降窓です。
一段下降窓、すき間から雨水が入って車体が腐食する心配がありますが、ステンレスなら大丈夫。すっきりしたデザインです。
もっとも最近の電車、完全空調で窓は原則固定。熱線吸収ガラスでカーテンも省略します。あれこれ装備した電車、乗客には便利ですけど鉄道会社はメンテナンスが大変。合理化ゴーズオンです。
静鉄で見られなくなった1000形、熊本電気鉄道や福井鉄道に譲渡されて、〝第二の職場〟で働きます。
それにしても長沼車庫の1000形、解体を待つのか、それともどこかに譲渡予定なのか? そんなことが気になるのは鉄ちゃんだけですけど……。
駅0分にガンプラ工場

駅名のところで書くべきでしたけど、長沼駅には昨年9月から副駅名が付いています。「バンダイホビーセンター前」です。
駅の北側がバンダイホビーセンター。総合玩具メーカー・バンダイグループのプラモデル製作会社・BANDAI SPIRITSのオフィス兼工場です。
工場で生まれるのは「ガンダムシリーズ」のプラモデル。略して「ガンプラ」。(と分かったように書いてますが、私はなぜガンプラなのか、初めて知りました。ブログは勉強になります)
工場は昨年7月に稼働、9月にプラモデルの企画開発体験ミュージアムがオープンしました。副駅名はその時に付きました。
私は未見なのでプレスリリースなどの流用になりますが、ミュージアムは生産中の工場を見学できるほか、ガンプラの企画開発(プラモデザイナー)を体験できます。
バンダイはミュージアムを単なる工場見学でなく、例えば○ッザニア東京と同じような職業体験の場と位置付けるようです。
バンダイのレボートにはこうあります。「ホビーセンターが生み出すガンプラは、芸術品でなく工業製品。スタッフは『採算が取れる商品か』を考え、各部門の社員が役割分担をしながら完成を目指します。ミュージアムで製造現場のリアルを知ってもらい、モノづくりの楽しさを理解してもらう中から、『将来はここで働きたい』と思う子どもたちに現れてほしい」。う~ん、なかなか深いですね。
ラストはお知らせ。静鉄は10月17、18日、長沼車庫で「しずてつ電車まつり2026」を開催します.
10月14日の「鉄道の日」に合わせた車両基地公開で、A3000形電車の車内を開放。ミニSL、鉄道模型運転といったメニューを用意します。入場有料。催しの詳細は静鉄ホームページをご覧ください。

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