ブログ32 【アーカイブ】 2017年のトレンド 「プラットフォームビジネス」って何だ?(2016年11月記)

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タイトルカット 今年7月の第73回「安倍川花火大会」(会場から2㎞ほど離れた自宅ベランダで撮影)

月刊誌の新年号、巻頭には「今年を占う」に類する記事やコラムが並びます。難しいのは締切が発行ほぼ1カ月前という点。

残り1カ月で、情勢が大きく変わる可能性がなきにしもあらずと考えれば、題材は必然的に無難なテーマになりがちです。

私も連載を持って初めての1月号、選んだのは時代を先取りする(かもしれなかった)、ビジネストレンドの話題です。

(ここから10年前のコラム)新しい年、2017年が始まりました。明けましておめでとうございます。

今年を少しでもいい年にしたいとの願いを込め、ビジネスの最新トレンド「プラットフォームビジネス」を取り上げます。

意味は電車のプラットホームと同じ

プラットフォームと聞いて、皆さまが思い浮かべるのはおそらく駅のプラットホームでは?  フォームとホーム、表記は違いますが、意味は同じです。

電車に乗るため一段高くなっているのがホームなら、異業種同士をつなぐジョイントの役目を果たすのがプラットフォームです。

 ITの教科書は、プラットフォームビジネスを「他社の製品や情報と一緒になって初めて価値を発揮するサービス」と説明します。

理屈を並べても仕方ないので、実際のプラットフォームビジネスのいくつかをご報告します。

トヨタ自動車は昨年(2016年)12月7日、オープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXTトヨタネクスト」を発表しました。プログラムでは、トヨタと一緒に仕事するパートナー企業を公開募集します。

自力だけではやっていけない

トヨタのような超特大企業は開発や製造、販売といった部門ごとに親会社、子会社、孫会社、協力会社が系列化され、グループ内でビジネスを完結させるのが一般的です。

トヨタが単純な自動車メーカーでないことは広く知られます。住宅、金融、情報といった分野に進出。異業種への事業展開でもトヨタネクストは有力なツールになります(画像・トヨタ自動車)

系列化は利益をグループ外に逃さないために重要ですが、一方でどうしても閉鎖的になりがちなのが欠点です。

トヨタは、「現在と同じようなクルマづくりだけでは、やがて行き詰まる」と考えたようです。

一例を挙げれば、注目の自動運転。自社やグループで全技術を開発するより、ノウハウを持つ企業の力を借りるのが実用化の早道です。

新しいビジネスパートナーを募るトヨタネクストでは、協業パートナーを2月20日まで公募。「すべての人の移動の不安を払拭ふっしょくできる安全・安心サービス」に代表される、新ビジネスのアイデアを募ります。

審査はトヨタ役員のほかクリエイターのレイ・イナモトさんらが担当。7月下旬にはパートナー企業を決定するそうです。

観光や旅行業界でもプラットフォームビジネス花盛り  

観光や旅行もプラットフォームビジネスが盛んな業界です。

日本観光振興協会(日観振)は日本で一番大きな観光関係団体ですが、ここが事務局を務める観光予報プラットフォーム推進協議会は昨年10月から、観光や旅行の基礎データを収集した同名の「観光予報プラットフォーム」による情報提供を開始しました。

2015年度に経済産業省の委託で構築したプラットフォームは、50万件近い観光ビッグデータを集めた観光・旅行業界最大のデータベース。〝観光の気象情報〟といえば、多少はイメージをつかんでいただけるでしょうか。

公開するのは、訪日インバウンド旅行で日本の各地域に、どの国・地域からどのくらいの人が来ているのかなどの詳細データです。

一例を挙げれば、日本を訪れたイタリア人の旅行目的地(宿泊先)で最も多かったのはトップが京都市下京区、2位が岐阜県高山市、3位が横浜市西区といった具合いです。

訪日イタリア人が最も多く滞在する、京都市下京区の有力スポットの一つが2016年にグランドオープンしたJR西日本の「京都鉄道博物館」。外国人入館者を意識した体験型アトラクションや解説付きガイドツアーが人気です(画像・京都フリー写真素材集)

横浜みなとみらい21地区のパシフィコ横浜で開かれる国際会議参加者が多い横浜を除けば、4位の和歌山県高野町(高野山)も含め、イタリア人が日本の歴史や文化に深い関心を持つことが一目瞭然ですね。

日観振のプラットフォームは、宿泊客数を地域イベントと重ね合わせて表示する機能も併せ持ちます。横浜市では、2月中旬の三溪園観梅会の時期に外国人宿泊客が増えていて、外国人観光客誘致には、観梅や観桜のPRが有効と分かります。

基本機能とオープンデータ利用は無料。皆さんも一度サイトをのぞいてみてはいかがでしょうか。「観光予報プラットフォーム」で検索すれば、すぐに見付かりますよ。

観光分野では、宿泊業界向けプラットフォームビジネスも数多くあります。地図出版の昭文社が、子会社・トリプコンを設立して提供開始したのが「トリプコンビズ」。楽天トラベルなどの宿泊予約サイトに、お客さんが滞在してくれるような情報を掲載するのがトリプコンの役目です。

ライバルホテルが「1泊1万円」の値を付けたら、すかさず「1泊9500円」とサイトでの販売価格を変更。きめ細かい戦略が客室稼働率アップにつながります。中国を本部とする国際宿泊サイトの日本語版で、特に海外向け情報発信に力を入れるそうです。   

2026年9月追記 トヨタネクストでは2017年8月、リスク検知サービスの「カウリス」、デジタルマーケティングの「ギフティ」(いずれも企業名)などスタートアップ5社との協業を決定。その後の追加情報はありませんが、レンタカーに近いカーシェアリングなどで新サービスを生み出します。

後段で取り上げた「観光予報プラットフォーム」は、現在も稼働。半年先の観光予測などが情報提供されます。 

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