ブログ30 【書き下ろし】  シリーズ「乗ったで降りたで静岡清水線」 春日町駅 その1(2026年9月記)

書き下ろし
タイトルカット 今年7月の第73回「安倍川花火大会」(会場から2㎞ほど離れた自宅ベランダで撮影) 

静岡鉄道(静鉄)静岡清水線の全駅ルポ、始発の新静岡から数えて4駅目の「春日町」です。前駅の音羽町との駅間距離はわずか500m。新静岡、日吉町、音羽町、春日町と500mの等間隔で駅が並びます。

春日町の開業は、鷹匠町(現・新静岡)や台所町(現・日吉町)より20年ほど後年の1930年(鷹匠町や台所町は1908年です)。時代は明治から昭和に変わっていました。

駅所在地は静岡市葵区春日で、駅名は地名のまま(地名は1980年に春日町→春日)。誕生以来、駅名変更は1回もなく現在に至ります。

複線の線路の真ん中にホームと同じ幅の駅舎がある春日町。右側の下り線に新清水行き電車が到着しました。ホームを降りた踏切の遮断機は上下線にそれぞれにあり、遮断機に閉じ込められる、いわゆる「トリコ状態」になる心配はありません

住民投票で「春日町」に決まる

春日(町)の地名は全国に点在します。有名どころでは、都営地下鉄三田線と大江戸線が接続する文京区春日(春日駅)のほか、奈良市春日、福岡県春日市などが知られます。

全国の春日、多くは奈良公園内にある春日大社に由来します。静岡の場合はちょっとユニーク。1928年に町名を新設する際、住民投票が行われたというのです。

新しい町名の候補は何と36種類。今だったらSNSで「有力なのは○○」でしょうが、当時は選ぶ方も迷ったでしょうね。

「かすが」とも「はるひ」とも読める春日、本来は春の穏やかな一日を表します。春日と聞いて今、ピンとくるのは、先日の24時間テレビ「愛は地球を救う」にも出演していたお笑いコンビ・オードリーの春日俊彰さん。以前は歌手の故春日八郎さん、民主社会党委員長の故春日一幸さんもいらっしゃいました。

静岡の住民投票で春日が選ばれたのは「おめでたい」が理由だったそうですが、そう聞くと今は当たり前になった地名にも不思議と愛着が沸きます。

地名や駅名、鉄道に限れば最近開業した「夢洲ゆめしま(大阪メトロ中央線)」、「幕張豊砂(JR東日本京葉線)」、「桜並木(西鉄大牟田線)」などは、いかにも新駅らしいネーミングです。

駅は地域のシンボル。良くも悪くも何かと話題を呼びます。ちょっと前、山手線に誕生した「高輪ゲートウェイ駅」(京浜東北線も停車します)、「ゲートウェイがいらない」などさまざまな議論を巻き起こしました。

静岡清水線はナウい(今やほとんど死語)駅名はありませんが、今後地域再開発などをきっかけに駅名変更すれば、それなりに話題を呼べるかもしれません。

国道1号線と生活道路に挟まれた限られたスペースに駅舎

国道1号線を挟んで春日町駅を遠望。静岡清水線と国道との並走区間には目立った高層の建物はなく、マンションや病院、物流施設などが建ち並びます

今回も前振りが長くなりました。音羽町~春日町で、静岡清水線は国道1号線に並走します。南側からJRの東海道新幹線と東海道線(在来線)、国道1号線、静鉄静岡清水線が並びます。

静岡清水線の春日町駅、私は最初、駅舎がないのかと思ってしまいました。駅は複線の線路の真ん中にホームがある1面2線で、ホーム東端にホーム幅と同じ駅舎があります。

駅舎からは複線の線路を渡る踏切に降りられるようになっています。踏切を南に出れば国道1号線、北に出れば生活道路を挟んで住宅街に至ります。

春日町駅は国道1号線と生活道路に南北を挟まれた、限られたスペースを有効活用。一般的な駅舎が建設できず、このような構造になったのでしょう。

私が、同様の構造の駅として思い当たったのは路面電車の停留所です。

ブログ23でLRTライトレールトランジットの先駆者として取り上げた広島電鉄(広電)、多くの停留所(路面電車なので駅ではありません)は道路の真ん中にあり、横断歩道から停留所に上がるようになっています。

同じ静岡清水線で、駅ビルターミナルの新静岡、私鉄の駅舎然としたお隣の音羽町に比べると春日町はいかにも簡素。しかし私は、かつての軽便鉄道時代を思わせる春日町駅を、ある意味非常に好ましく思ったのでした。

JR東海道新幹線や東海道線をウォッチング

ラストは、春日町駅付近でJRの列車をウォッチングしましょう。JRの線路と国道1号線の間には建物があって、撮影条件は必ずしもベストではありませんが、私は線路脇の水産会社の敷地外から狙ってみました。

国道の歩道から新幹線を狙いました。静岡停車列車はまだスピードが出ていないので、スマホでも何とか撮影できます

昔だったらもっと条件のよいところを探したのですが、古希の老人にそんな気力はありません。

まずは新幹線。現在、営業車両は16両編成のN700SとN700系(N700A)に統一され、珍しい車両を撮影する妙味はありません。

もちろん〝ドクターイエロー〟こと、黄色い検測・点検用車両に出会える可能性もゼロではありませんが、すでにJR東海の運用は終了しているので「(ドクターイエローを)見れば幸せになれる」の都市伝説、今や本当の伝説になってしまったようです。

私自身、何度か経験がありますが、「たまたま駅にいたらドクターイエローが来たので、撮影しようと思ってカバンからカメラを出したらすでに行き過ぎていた」は撮り鉄の皆さまなら「あるある」かもしれません。

新幹線の列車種別では、静岡を通過する「のぞみ」や一部「ひかり」は高速すぎて×アウト。事前に静岡停車の「ひかり」や「こだま」のダイヤを調べ、ロケハンで撮影場所を確保すれば、お気に入りの一枚が写せるはずです。

次回のJR線ウォッチングは在来線。今夏は異常気象や地震がありました。被災された皆さま、お見舞い申し上げます。穏やかな秋が来ることを願って、静岡清水線のルポを続けます。

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